オトナ花嫁のホンネ
5年前の私にはできなかった式にしよう。
今のふたりにフィットする結婚式なら、
挙げてもいい、そう思った。
きらびやかな花嫁よりも、
気のきいた花嫁になりたい。
気のきいた花嫁になりたい。
華やかなドレスや驚きの演出もいいけれど、
これまで何度も結婚式に参列した私だから思う。
大切な人に想いが伝わる、伝統的であたたかな挙式。
ゲスト一人ひとりをプロがもてなす、気配りの届いた披露宴。
なぜ結婚式を挙げるのか。
少し考えれば、自然と浮かんでくる理想の結婚式。
晴れ姿の楽しみは、
当日にとっておきたい。
当日にとっておきたい。
彼を何時間もドレス選びに連れ回したくない。
むしろ、当日まで見せずに、楽しみを数倍にして迎えたい。
バージンロード越しに、ふたりが初めて結婚式当日に対面をする「ファーストミート」の瞬間。
礼拝堂の扉が開いたときの彼の表情を、わたしは一生忘れない。
いちばん感謝したい人が、
いそがしいだけの式にしたくない。
いそがしいだけの式にしたくない。
普段はなかなか言えないからこそ、家族にスポットライトのあたる挙式で
「ありがとう。」を伝えたい。
母からのベールダウン。
父と歩くバージンロード。
ふたりよがりにならない、
新しい家族の門出にふさわしい時間を。
ありきたりな誓いの言葉じゃ、
満足できない。
満足できない。
同じ夫婦なんていないのに、お決まりの言葉で愛を誓うのは、もともと違和感があった。
専属の牧師がふたりと話して
紡いでくれる祝福の言葉。
ふたりだけのストーリーが、改めて夫婦になる決心をさせてくれた。
「今日は、新しい家族の記念日。」
記憶に残るいい式は、
たいてい料理がおいしかった。
たいてい料理がおいしかった。
ゲストが一番楽しみにしているのは料理。
わたしの経験上、そう言い切れる。
だから、妥協はしたくない。
一流レストランのサービスに、今日だけの特別なフルコース。
目も舌も肥えた友人たちの、
「さすがだね。」が聞こえる。
何年経っても戻って来られる場所。
あの日の思い出が蘇る。
特別な一日、ふたりのストーリーが始まった場所。
子供が生まれて、またひとつのストーリーが繋がる。
いつでもふたりで、家族で、戻って来られる場所。
結婚式を挙げたあの日の場所は、そういう場所であって欲しい。